紅〜kurenai〜




「…現実そう上手くは行かないのはわかってるんだけどな〜」




両手両足を伸ばして大の字になって寝っ転がる。






あれから、授業を受ける気にもなれなくて、今日理事長室入って早々に匡ちゃんから借りた鍵を使ってここ–––屋上にやって来た。





野原に行こうか悩んだけど、1人になりたかったからこっちを選んだ。



それにここの方が、–––––––––––––––だから。





今は、何も考えたくない。



そう思うのに勝手に頭に浮かんできてしまう。




”あい”って子があの子である確率なんて何万分の一の確率でしかないのに、頭に浮かぶのは悪い事ばかり。



それにこういう時の私の勘は嫌という程当たってしまう。





私の選択は間違っていた?




今更そう思っても遅いのにそう思わずにはいられないんだ。




何をどう選択したっていずれ私がこうなる運命だって事は変わらないのに。
敷かれたレールを歩くのは変わるはずないのに。






ねぇ。貴方ならどんな答えを出す?



私と同じ答え?

それとも、全く想像もつかない答え?




きっと、後者だ。



私の思いつきやしない答えを出して笑って立ち向かっていくんだ。




けど、これしか私にはやり方が無かった。
そしてこれからもこのやり方を貫くしかないんだ。
いつか、全てが終わるその日まで。









「元気かな…」



考えるのは疲れる。


決まっている運命ならば先のことを考えるだけ無駄。今目の前のものだけを処理すればいい。

そう思うのは間違ってる?




答えなんて誰にもわからない。




だから、



「その時はその時だ」