紅〜kurenai〜




部屋をドアを開けて職員室に出れば、入ってくるときはほぼ全教員が忙しなく手を動かしていたのに今は5人程度しか残っていない。



その中から自分のデスクのパソコンを覗き込んでいる担任を見つけ出して。


「先生、終わりました。それにしても全校生徒が生徒総会にちゃんと出席するなんてこの学校は素晴らしいですね」



嫌味も込めて言ってやった。


もちろん、「こんだけの量を私一人にやらせたんだから全員出席させろよ」という笑顔の圧力も忘れずに。




「それじゃあ、失礼いたしました」



他の先生たちが顔を引きつらせているけれど、そんなの無視無視。



早く携帯を探し出して帰らなきゃ日が暮れちゃう!



少し小走りで向かった教室にはもう誰も残ってないだろうなって思ったけど数人の人影が。


こんな時間まで学校にいるのか。
勉強かな?不良校なのに頑張るねえ。


なんて感心しながら教室の扉を開けた。








































その瞬間。



止まっていた歯車がゆっくりと動き出したことに気づかずに。


そして、今日この扉を開いたことをすごく後悔する日が来るとも知らずに。