紅〜kurenai〜

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トントン–––ガチャン。


トントントン–––ガチャン。



私以外誰もいない部屋に只管紙を揃えてホッチキスで留める音が綺麗に響いている。











「……終わった。」


目の前に山積みとなった資料を見て達成感に満ち溢れる。

明日みんなの手元に渡ったときに、私が作ってやったんだよとでも自慢したい勢いだ。
作り終わって気づいたけど、生徒総会なんてみんな参加すんの?
かろうじてこの学校よりも前の学校の方が真面目な人が多かったけど、それでも生徒総会なんていう所謂全校集会的なものには出てない人がほとんどだった。





……私が作ったからには全員強制参加だな。




「さーて、帰るか」


窓の外をみればいつの間にか綺麗な夕焼けへと変化してしまった空。



終わったからいいものの、本当にあの量を私一人でやらせるつもりだったのかな。
まあ、途中で誰も助っ人が入ってこない時点でそうなんだけどさ。
私じゃなかったらどうしてたんだろう?


あの担任人選びがうまいな。



「あれ?」


そんことをあれこれと考えながらほとんど何も入ってない鞄の中をガサゴソと漁って携帯を探すけど見当たらず。
ポッケの中も見たけどない。



この部屋にもないってことは…


「教室か…」


戻るの面倒だな。
けど、取りに行かなきゃ色々と困るし。


急いで取りに行って急いで帰ろ。