紅〜kurenai〜



「明日の生徒総会で使う資料を今日中に作って欲しいんだ」



中に入って早々そんなことを言われ。

これをこうしてなどの説明を受け。


「じゃあ、あとはよろしくな」



と言って出ていった担任。



バタンというドアが閉まる音だけが虚しく響いた。




この量を?今日中にやれ?
しかも全校生徒の分を私一人で?





「…なめてる」




そう呟いた時、グシャッと下の方から紙が潰れる音がした。



は、はは。今ので一部ダメにしちゃった。





「……意地でも終わらせてやる」



あまりの理不尽さに握り潰してしまって使い物にならない先ほど見本として作ってもらった資料を机の端に置き、早速作りはじめる。