紅〜kurenai〜

……とうとうきてしまった放課後。



荷物をまとめ、鞄にしまいその鞄を右手に持っている私は挨拶が終わったらすぐに出ていく準備がもう完璧に出来上がっている。



「んじゃ、また明日な〜」


担任の一言で今日のHRが幕を閉じた。

この学校に来てから思ったんだけど、ここの教師ってみんな緩いっていうか適当だよね。


「じゃ、解散。」的なノリでHRを締めくくる担任の背中を見て思う。
普通は「気をつけ、礼」「さよなら〜」じゃないの?って思うけどきっと言ったところで無駄だろうし早く帰れるに越したことはないから別にいいんだけどさ。



ってこんなこと考えてる暇なんて私にはないんだった。


慌てて席から立ち上がりあと一歩で教室から出れるってところで




「霜村〜。ちょっと職員室こい」



担任に呼び出された。




「…」


なんでこうも私は運が悪いんだろう。

仕方なく諦めてトボトボと職員室へと向かう。






「失礼しまーす」


忙しそうに手を動かしてる先生たちの中から担任の姿を探したけど見当たらない。


なんだよ自分から呼んどいて。



「あ、霜村!こっちこっち」


帰ろうかと考えていた時、職員室の奥のドアが開きそこからひょっこり顔を出した担任が私を見つけた。