「あ、やべ」 サクラが去った理事長に匡哉の焦った声が響いた。 「獅子がいること言うの忘れてたな」 苦笑しながら右手に持つサクラの資料に目を通す。 獅子がこの学校にいるのは問題ないからどうでもいいんだが。 問題は彼奴がいること。しかも獅子の一員。 サクラは知っているのか? 彼奴が…… アイ がこの学校にいることを。 この時、サクラにアイの事を伝えなかった事を後悔するのは4日後だった。