「ラーメン食ってかね?」
教室を出てすぐそばにある昇降口繋がる階段を下りながら朝日が言った。
好奇心旺盛であれば食欲も旺盛な朝日。
今ラーメン食べたとしても倉庫から家に帰る途中でもラーメン食いたいって言い兼ねない。
もしくはファミレス寄りたい、だ。
ラーメンもファミレスも大して変わんねえけど朝日の食欲と胃袋には毎度毎度度肝を抜かれる。
見てるこっちが腹一杯になるくらいだ。
何て思いつつも俺も小腹が減った。
ここら辺で美味いラーメン屋あったっけ?と考えつつ二つ返事で了承する俺であった。
「駅前のところで良いか?」
「どこでも良い」
「その答えが1番困るんだよ」
なんて言うけど、駅前のラーメン屋に向かうことは既に決定事項だ。
食えれば何でもいんだよ、食えれば。
飯なんてそんなもんだろ。
腹に入っちまえば一緒だ。
駐輪場についてそれぞれのバイクにキーを挿しエンジンを吹かしていざ出発。
♪~♪~♪~
素晴らしいタイミングで携帯が鳴った。
思わず舌打ちが出そうになったが着信音で直ぐに相手がわかったため何とか留めた。
隣を見れば、口にこそ出しはしないが思いっきり「今かよ」って顔に出ている朝日のところにもメールが届いたみたいだ。
それもそうか、俺に届いてんだから。
……寛人さんから。
その内容はまだ見てないからわからない。
仁さんからの伝言かそれとも敵対してるところの情報か、はたまたそれ以外か。
まあそれはどうであれ、寛人さんから俺と朝日に同時に連絡きたってことは獅子の一大事に関わること。
さっきまで、つまんねえだの何か起これだの喚いてたくせに寛人さんからの連絡に目を輝かせない朝日。
きっと、ラーメン食いに行けなくなったと悟ったからだろう。
それくらいで不機嫌なるってガキかお前は…。
そんな朝日に呆れるけどそれよりも先に寛人さんからのメールの方が大事だ。
急いでメールボックスを開けば
『10分後全員集めろ』
それはもうとても簡潔な内容だった。
「俺、たまに寛人さんのこと本気で鬼だと思う」
ボソリと隣から聞こえてきた声に激しく同意だ。
10分後全員集めろって獅子に何人いると思ってるんですかって問いただしたくなる。
軽く200人は超えるぞ。
200人全員に連絡が行き渡るまでに10分以上かかるだろう。
…普通なら。
けど、そんな無理難題を頼むのも俺と朝日だけらしい。
それは信頼を持たれている証拠である。
その信頼を無くさないためにも10分後全員倉庫に集めなくてはならない。
…寛人さんから頼まれた時点でトップである仁さんの頼みと受け取るのが普通だ。
だからそこ、どんな無理難題にも”不可能”という結果は許されない。
…ラーメンは今度にしようか。
