紅〜kurenai〜





熱く語り始めた朝日はもう手の付けようがない。

その顔を捻り潰したくなるくらいウザい。




しかも何がタチ悪いかって、何度も同じことを聞かされることだ。


過去に何度、それ前にも聞いたからって思ったことか。




けどまあ、4年も一緒にいれば自然とその扱いにも慣れてくるわけだ。



適当に流しておくのが1番。

あーだーこーだ言うのは火に油を注ぐようなもんだ。




案の定、俺の隣で大人しく煙草を吹かしている。






「ホントお前根が真面目だよな〜」



なんて余計なことを言いつつだけど。



俺が真面目なんじゃなくてお前がダラしないだけだ。




2年前の俺ならすかさずそう言い返していたところだけど、今は何も言えずに「うるせえよ」としか返さなくなった。




その変化に朝日は気づいているのだろうか?




まあ気づいてようが気づいてなかろうがコレといって変わることはないから別に良いんだが。






自分でも真面目だな俺、って思うことが度々。


いや、彼奴らが不真面目っていうかバカっていうかダラしないっていうか…。







真面目だの何だの言われながらも獅子に身を置いている時点で、世間から見れば中身がどうであれ不真面目と称されるわけで。





今でこそ「真面目」と言われて何も思わなくなったが、1年前の反抗期真っ盛りのときには真面目と言われるのが嫌で嫌で仕方なかった。




だからピアスも髪も染めた。




だいぶ幼稚な考えをしていた俺はまずは形からってことでそんなことから始めたんだ。




まあ、緑はやり過ぎたかなと思ったけどいつの間にか馴染んでるこの色に気づいたら愛着湧いちゃってたんだよな。





頭を触りながらそんな事を思って思わず苦笑した。






形から入ったとしても、獅子に入る前から比較的荒れてたと思うし真面目な括りには入らないと今でも思ってるけど。







てか、俺が真面目になったのって獅子の奴らのせいだと思うんだけど。



彼奴らが馬鹿でアホでどうしようもねえから結局俺が彼奴らのお守役になるんだ。


そりゃ真面目にもなるだろうな。





ああ、俺、可哀想。




別に彼奴ら嫌いじゃないから良いんだけどね。





「…行くか」





気づけば2本目の煙草も吸い終わっていた。





……どちらかと言うと、お守役でも真面目でも雁字搦めの俺が素直になれるあの場所は好きだ。







机の上に置きっぱなしの何も入っていない鞄を手に取り朝日と2人で教室を後にした。





当然の如く、校舎に残ってたのは俺らだけだ。