紅〜kurenai〜






《慶太 side》






仁さんとアイさんと一緒に歩いてる彼女の背中を見て小さく息を吐く。






霜村サクラ







俺らが想像していた子よりも遥かに良い子で誰よりも温かい心の持ち主だ。






アイさんと何か話しながら階段を上がる彼女の背中を見ながら、彼女が俺らの前で挨拶した時のことを思い出した。












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最近は抗争もないし怪しい動きを見せる処もないから比較的穏やかな日常だった。



仁さん達も忙しそうにしてない。

それにもし何かあったら情報参謀である寛人さんから真っ先に俺が朝日の携帯に連絡が入るはずだ。



それがないって事は異常なし。
不良やってる割に今日も平和で穏やかな1日で過ごせる事に清々しさを感じた。






「慶太〜、繁華街行こうぜ」




放課後のベランダで夕陽が沈むのをボーッと眺めて物思いに耽りながら煙草を吸っていた。



ここから見える夕陽が意外と綺麗なんだよ。




こういう何も起こらず平和に幕を閉じた1日に最後に綺麗な夕陽を眺めるのがいつしか俺の日課になっていた。




まあ、こうやって物思いに耽っていると目の前にピンク色の髪が現れるのも日常化としてきているんだけど。





「繁華街はパトロールのとき以外出入り禁止になっただろ」




ピンク色の髪の持ち主……朝日に向かって呆れたように言えば「忘れてた」って顔をされた。




二ヶ月ほど前に仁さんによってパトロールのとき以外繁華街には出入り禁止令が下された。




理由はよくわかんねえけど、仁さんが禁止だと言ったら禁止だ。


あの人は理由もなくアレコレ命令して俺らに指図することはしない。
いつも自分の目で見て自分で判断してから俺ら下の奴らの安全を第一に考えた決断を下す。




それを皆が理解しているから、その繁華街出入り禁止令に誰も反抗する者がいなかったんだ。






「だぁー!つまんねえー!なんか起こんねえのかよ」



俺の隣に座り煙草に火をつけそう叫ぶ朝日に苦笑い。


血の気多いからな、朝日は。




「何もないに越した事はないだろ」


「お前それでも不良か?」


「喧嘩するだけが不良じゃないだろ」


「真面目か!」


「朝日が血の気多いだけ」


「男は喧嘩してナンボだろ!」


「はいはい」



これ以上聞くと熱く語り始めそうだったから適当に流しといた。