紅〜kurenai〜






匡ちゃんも皇くんも彼奴らも皆んな、心配してくれてるのはわかる。

私の力になろうとしてくれてるのもわかる。


わかってるからこそ、私はいつも彼らの手を借りて一緒に乗り越えてきた。





けど、今回はどうしようもないんだ。



いつもみたいな事件だったら、「ちょっと手貸して」って言えたよ。





でも、今回は私1人で終わらせなきゃいけないんだ。




彼奴らには関係ない私自身のことなんだから。




空を仰げば、嫌味なほど澄み渡る快晴の空が広がっていて。




初めて空が嫌いだ、そう思った。





私が背負わなければならない責任も

犯してしまった罪も


しっかりと理解してる。
逃げずに背負う。


それしか私には”生きる道”が残されていないから。



でも、ここにいる間は”自由”でいたい。


せめてもう少し……

あと1年でいいから、自由な身でいたい。












しばらくボーッと空を眺めていれば、扉の方から複数の足音が聞こえてきた。



「あ、いた!」


ガチャリと開いた扉から顔を見せたのは悠麻だった。

けど、悠麻だけじゃなくその後に続いて寛人、アイ、仁人、それに加賀と蒼麻まで入ってきた。


要するに全員きちゃったってわけ。



良かった、タバコ吸い終わってて…。





「ったく、手間取らせんなよ」



そういうアイは口調は面倒くさそうに言ってるものの口調に似合わず優しい笑顔だ。



「ごめん…?」




なんだか申し訳なくなって一応謝ったけど、それは多分アイだからで他の奴らだったらなにも言わなかった。


相変わらず私はアイに甘いな。



そんなことを考える反面、コイツらが揃いも揃って屋上に来たことに疑問を感じる。



サボりに屋上に来たわけでもなさそうだし、何だか私を探してたみたいだし…?




「…サクラちゃん、もしかして忘れてるなんてこと、ないよね?」



恐る恐ると言った感じで顔を引き攣らせながら言う寛人の言葉が全く理解できず「何が?」と首を傾げる。




「今日が最後だ、って朝話ただろうが」



呆れたようにいうアイの言葉に直ぐさま思い出した。


ああ、そっか。



「そう言えば、そうだったね」



思い出したように言った私の目の前であからさまな溜息をつくアイと、その後ろでコソコソと「ヤッパリか…」寛人と悠麻。



ヤッパリかって随分失礼ね。