「じゃあな」
最後に念のためもう一度、無駄な喧嘩をするなと忠告し少年の頭をクシャリとひと撫でしてから立ち上がり踵を返す。
「お、おい!!名前、教えろよ!」
去って行く男の後ろ姿に少年が呼びかけるが
「自分で調べろ」
振り向くことなくそう言うと右手を上げるだけだった。
あの男に、掴まれた腕が、撫でられた頭が、蹴られた腹でさえ、暖かい。
「仲間、か…」
そして何よりも心が暖かい。
俯かせた顔をもう一度上げ、見えた視線の先にいる空を仰ぐ男は強くそしてデカイ。
そして、儚くもあった。
その時。
「わ…っ」
強い風が吹いて、男が被っていたフードがハラリと外れた。
