裏と表。


光と闇。



それぞれ持つ顔は違うのに2つで1つ。



まさに『表裏一体』。





昼は学生たちに娯を与える多少治安が保たれた場所。


夜は煌びやかなネオン街に変装し快楽を求める飢えた人間が集う無法地帯。






そんな、ここ……繁華街も『表裏一体』の世界だ。













少し歩けばキャバ嬢から声がかかり、セールスマンに腕を引っ張られ。


酔っ払いのオヤジ達と肩がぶつかり言いあいになったり。


遠くで聞こえる怒声と喧嘩の音。





ボーッとしながら眺めるその世界は酷く歪んでいて汚い。




ネオンの煌びやかさが霞んでいる。




そんな好きでもない街の何処が好きかなんて聞かれても、答えられるわけない。




粋がって暴れるバカな奴等。

生きるために必死にカラダを売るバカな奴等。


ここのトップは俺だと権力を奮いまくるクズ共。




そんな街を好きだなんて言う奴そうそういない。






ああ、でも1つだけ。


好きと言うよりかは面白いと思うのは














こんな汚れた街を純粋に愛しているとかほざく奴等がいること。




どうせ、それも形だけ。外側だけ。



外面だけの姿を必死に隠す姿が何とも滑稽で見てるこっちが笑ってしまいそうだ。







そしてもう一つ。






何も知らずにのうのうと生活しているお馬鹿な人達がいるこの街は、少しのヒビが命取りとなる。















–––––––––見物だね。















あと、1年後?半年後?それとも5年後?





年数なんて関係ない。


ただ、崩れた一瞬を突いて、この街をーーーーが喰うだけだ。