その場を早足に抜け出し、家路に着いた。
面倒な人達に絡まれるもんだ。
寛人のあの何を考えてるのかわからない謎の性格よりもアイの方が手強いし…
苦手だ。
何となく、やり難い。
上手く躱すことが出来なくなる。
それを知ってるのか知らないのか、卑怯なやり方で出てくるのがムカつく。
平然を装いつつも、1人になると心が乱されている自分が1番ムカつくけど。
そんな事を考えながら家に帰った私は、逃げ出した私の背中をアイが哀しそうな目で見つめていた事を知らない。
「…サクラが”サクラ”だったらいいのに」
小さく吐き出されたアイの願望はサクラにも、勿論獅子のメンバーにも届くことはない––––––––––。
タイムリミットまで
––––––––––––––––––あと、1日。