紅〜kurenai〜




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「…詳しく話してもらおうか?」



「わかったから取り敢えずその殺気をしまえ」



教室とは逆方向に進みやって来たのはもちろん理事長室。



なんでかって?


もちろん文句言うため。




「この学校にさ、川崎アイっているよね?」


「おまっ…まさかっ!」



……正確には、シバく為か。



「何で言わなかった?それも、よりよって獅子に」


目の前で顔を引き攣らす男を射殺す程睨みつける。




何故私が怒ってるのか。


それは、アイがこの学校にいる事を理事長の口から一言も知らされていないから。


獅子にいるって事までじゃなくてもこの学校にアイがいる事くらい教えてくれたって良かったでしょう?


そしたら私もそれなりに対処できたハズだ。



なのに教える事すらしてくれなかったコイツ…匡ちゃんって何なの?


私を驚かせたかったの?
吃驚した顔が見たかったの?


どの理由にしてもふざけんじゃないわよって感じ。







「どういう事か一から詳しく説明してもらおうか?」





あはははは、とカラ笑をする匡ちゃんにこれでもかってほどの低い声が出る。


中々答えようとしない匡ちゃんにイライラが募る一方の私。




と、その時。




「そこらへんで勘弁してやってください」



1限目の真っ最中の時間に、お互い何も話さず無言で火花を散らしていたとてつもなく重たい空気を破ったのは授業をやってるハズである皇くんだった。


端から見れば、堂々と1限目からサボって理事長室に乗り込んでいる私が言える事でもないけれども、皇くんがここに居るって事は授業を放り出した訳であって教師としてそれでいいのか?と思った。




「匡哉さんも悪気があって隠してた訳じゃないんですから」



コツコツと足音を鳴らしこちらにやってくる皇くんの顔は困ったように苦笑いしていた。