だからこそ俺は、俺たちは強くあり続ける仁人の支えになりたい。
全て1人で成し遂げてしまう仁人に助けなんて必要ないかもしれないし、支えになれてるのかもわからないけど俺は仁人の側にいたい。
仁人に必要とされなくなるまでは側にいて、色んな世界を見ていきたい。
行けるところまで行ってやりたい。
そしていつか、少しでもいいから俺らに弱さを見せて欲しい。
強くあり続ける仁人の弱さを見てみたい。
なんて、思ってるけど正直なところ確率は限りなく0に近い。
「何があった」
まだ、何も言ってない。
ただ俺が仁人より先にこの溜まり場である空き教室にいただけ。
たったそれだけのことだけど、俺にとってはそれだけのことに済まされなくて。
それを仁人は理解していたんだ。
だから、「何があったのか?」じゃなくて「何があった?」なんだ。
そんな仁人だから敵わないって思う。
いや、別に張り合ってるつもりなんて少しもないけどさ。
こんな鋭い仁人だから、この人の弱みを見るなんて無謀な事だと思ってしまうんだ。
冷静なフリしてそんな事考えてるけど心は十分なほど掻き乱されていて、それを隠していたつもりなのに初めから見破られていた自分が笑える。
けど、別にそんな自分も嫌じゃないと思えるのは見破られた相手が仁人だからだ。
要するに、俺は
この人とこの人が守っている獅子が全てな訳でその他がどうなろうと俺には関係ない。
どうだっていいんだ。
…霜村サクラが女の嫉妬に巻き込まれたって別にどうだっていい。
むしろ、あの無機質で何も表さない無表情の顔を崩してみたいとさえ思ってる。
…正確には、”そう思っていた”か。
「そうだね〜。自分でも何でこんな気持ちになるのかわからないや」
わかるなら誰か教えて欲しいと願うくらいに。
ソファーから立ち上がって、使われていない割には綺麗な床を静かに歩き窓縁に腰掛ければ続々と生徒が登校してくる光景が見られる。
