「大丈夫。何度も言ったんだからそろそろ信じてくれない?」
呆れて脱力しながら見上げれた先にいるバイクに跨る目の前の奴は
「口約束ほど曖昧なものはないって言うだろ?それと同じだ。いくら口で言われたってしんようできるわけねえだろ」
呆れたようにそう言うけど、口約束ほど曖昧なものはないって言うのと同じではない、決して。
まあ私もそんなバカじゃないから一応気づいてはいる。その目の奥には本気で心配しているのが見え隠れている事に。
「はぁ…私の家アレ。帰るためにはそこの道通らなきゃいけないからここでいいって言ったの」
結局、最後に折れたのは教えるつもりなんてこれっぽっちもなかったコンビニの奥に見える私の住むマンションを指差している私の方だった。
「なら、下まで送る」
「そこまでしてもらう理由はない」
その親切な優しさは有難いけど、そこまでしてもらうわけにはいかない。
それにコイツだから余計に情をかけてしまいそうで怖い。
「じゃあ、そう言うことだから。寛人にご飯ありがとうって伝えといて……川崎くん」
まさか、アイが自ら送迎に名乗り出るとは思ってもなかったから倉庫から出てきたときは心底驚いた。
「”アイ”でいい。」
「そ?…じゃあ、アイまた今度」
今度こそ家へと一直線に歩き出した私は決して後ろを振り返らない。
振り返ってしまったらきっとあの子を抱きしめて言ってはいけないことを言ってしまう。
「…饒舌だな」
自分でもわかるほどに今日はよく喋る。
いや、今日じゃなくて、アイといる時か。
「はあ…」
静かについた溜息は、夏の満天の星空へと溶けていった。
『大きくなったね、アイ……–––––––』
タイムリミットまで
–––––––––––––––––––––あと2日。
