紅〜kurenai〜





「やっぱ寛人のカレーが1番うまいっ!」



見た目通り料理のできる寛人が作ったカレーはいつも好評らしく、隣で勢いよくがっついている悠麻は既に二杯目。



「…口に入れたまま話さないで」


育ち盛りの男子高校生なわけだから食欲旺盛なのはいいが口一杯に入ってるのに大口で話さないでほしい。

ご飯粒が飛んでくるから。



「サクラちゃん早く食べなきゃなくなっちゃうよ!」




だから口の中なくなってから話せ。

私の話を聞いてない悠麻はまたもや口一杯に詰め込んだ状態で話す。



だいたい早く食べなきゃって言っても悠麻みたいに食欲旺盛でもなければ大食いでもない私はお代わりする気なんて更々ない為なくなるも何もない。





悠麻に呆れながらも口に運んで食べている寛人が作ったカレーは確かに美味しくて。



今度作り方教えてもらおうかな、なんて思ったりもした。




ていうか、みんなよく食べるねぇ。


私以外既に2杯目のカレーに手をつけている。
蒼麻なんてちゃっかり3杯目。


これだけ育ち盛りの人達がいればご飯作るのも大変なんだろうなと同情の目を寛人に向ければ「ん?」と視線に気づいたらしく聞き返されてしまった。




「なんでもない。…これ食べ終わったら帰るから」



そう言うや否や、食べることに集中し黙々と美味しいカレーを口に運んだ。



「…ご馳走様でした」



一杯しか食べていないのに1番最後に食べ終わるという私からしたら当たり前のことだけどこいつらからしたらビックリ仰天らしい偉業を成し遂げた。




食べ終えたときにはもう既に寛人は食後のティータイム。

仁人とアイはソファーで仮眠。

双子は仲良くテレビゲーム。


加賀はやっと顔見せたというのに食べ終わるとさっさとこの部屋から出て行った。




結構本気でわからないんだよね。

なんで仁人がこんな所にあたしを連れて来たがるのかが。


この場所は嫌いだけど、こういう好きなことやれる自由な緩やかな空間は嫌いじゃない。