紅〜kurenai〜








「私がここに通うことを、ここにいる全員が認めること。但し1人でも反対する者がいれば今後一切関わらない。…っていう条件」




残り2日だっていうのに余裕をかましてるのかちゃんと全員に約束した条件を伝えてない仁人の代わりに私が答えた。




「へぇ。何でまたそんな面倒なことを?」



興味を持ったのか無意識なのかニヤリと口角を上げているアイは何処となく愉しそう。






「私にとっては貴方達と関わる方が面倒」


「他の女の子だったら手を上げて喜ぶことだけどな」


「ならそういう子を連れて来ればいいでしょ?」



学校にだって街中にだって探せばウジャウジャと出てくるんじゃない?


ああ、探すなんて手間のかかることしなくても勝手に向こうからやって来るか。




そんな女子達と一緒にされようがされなかろうが私にとっては別にどうでもいいことであって。



「生憎、私は貴方達が心底嫌いなもんでね」




コーヒーを一口だけ飲み、そう吐き捨てれば微かにアイの顔が歪んだのが見えた。




「仁人、お前面白い子拾ってきたね」



けど次の瞬間にはもう見間違えかと思うほど愉しそうに笑っていた。



正確に言えば拾ってきたっていうよりかは誘拐されてきたの方が正しいけどね。


拾ってきたも誘拐されて来たもさほど変わらないし、ここにいる事実はわからないんだから訂正するまでもないけど。





「そーいや、辰は?」



今更1人足りないことに気がついたアイは、今までの話の流れの中で1度も出てこなかったんだからこの部屋にいるはずがないのに辺りをキョロキョロと見渡している。




「辰なら部屋にいるよ」



一応、一通りは話が済んだためかもうすでにバイクの雑誌を片手に飲み物を飲んでいた悠麻が雑誌から目を離さずに教えていた。



「珍しいな」


出入り口のドアを見つめるアイの目は何かを考えるように鋭くなっていたのには気づかないフリをした。