恋色桜

あの後、教室に行くため先輩とは別れた。３組と書かれた教室には、まだ新入生を歓迎するメッセージが黒板に残っていた。
「あの…美咲ちゃん！」
ん？なんだろう…。そう思って振りかえると背の高いきれいな女の子と背は普通のかわいい女の子が立っていた。
「はじめまして、うちは加藤沙希（かとうさき）って言うの。で、えっと…「沙希、あたしが言うわ。」
かわいい女の子、沙希ちゃんが話していると、もういいわと言いながら隣のきれいな女の子が代わりに話しだす。
「はじめまして、あたしは神崎雅（かんざきみやび）。よろしく。」
軽くにこっと笑って雅ちゃんは続ける。
「単刀直入に聞いていい？結城とどういう関係！？」
…はい？”ユウキトドウイウカンケイ”いや、どうって…
「よく言えば友達。悪く言えば知り合いと認めたくない関係、です。」
あ、最後本音がでたなぁー…。
「あはは！美咲ちゃんおもしろい！！雅、もういいんじゃない？」
沙希ちゃんは大爆笑。なんかすごくウケていた。
「はぁ…彼女違うのか。彼女だったら面白かったのに…。」
あーあっと残念そうな顔をする雅ちゃんに横でまだ笑っている沙希ちゃん。この２人が私と親友になるのにそう時間はかからなかった。