「てかー、なんでお母さんも行くわけ?」
とキッチンにも聞こえるくらいの声で言う。

それに答えたのはお母さんではなく、お父さん。

「いやー、恥ずかしい話、この年になって知歌子(ちかこ:母の名前)に会えないと辛いもので」

と微笑むお父さん。

「はぁ...」

とりあえず笑っとく。

この空気、なんか...なぁ...

この、いいタイミングに
着替えを終えた夏芽くんも下りてきた。

「...」 挨拶なし...無言

「おはよう、夏芽くん、今日は部活...」

「剣道あるから。」

夏芽くんは剣道部。
私の言葉を遮った...

「はい。」

「冬瑠」

「なにー?」

夏芽くんが冬瑠君を呼ぶ。

「今日サッカーは?」

「ある」

そして、冬瑠くんはサッカー部。

歯磨きを終えた秋人も来た。

「ちーす」

チャラいな、おい。