ピピピピッ、ピピピピッ、


ピピピピッ、ピピピピッ


ピピッ!


目覚まし時計の音で目が覚めると、木曜日の朝を支えていた。


なんだか変わった夢を見た気がした、



千夏は、制服に着替え1階へ降りると、いつものように朝食を作り始めた。



母は既に10歳の頃に他界して居ない。



ピッ


リモコンの電源を押してテレビをつけると、いつもの天気予報が流れていた。



『今日の東京は、曇った天気が続くでしょう。洗濯物はあまり多くない方が...』


「そうだ!洗濯物!」


アナウンサーの言葉で思いだすと、急いで洗濯機のスイッチを押しに行った。



そう、この家(アパート)には私しか住んでいない。


母も、父も、祖母も、祖父も、誰もいない。


この家にあるのは、必要最低限の家具や道具と、リビングの壁に出来た大きな傷穴だけ。


もう3年以上も、私はここで一人暮らしをしているのだ。





いつもよりも早く用意が終わり、余裕をもって外へ出ることが出来た。


空を見上げると、昨日の夜は雲がかかっていたはずなのに、綺麗な青空が広がっていた。


「天気予報は曇って言ってたけど...」


そう呟いた時だった、急に昨夜みた夢を思い出したのだ。



私が、大雨の中公園で立ち尽くしている夢。



あっ。雨でも降るのかな、


そう思って1度家の中へ戻り傘を手に取ると、颯斗も忘れるかもしれないと考えが浮かび、折りたたみ傘も鞄に詰めた。



確信はないけど、千夏はなんとなく雨の降る予感がして仕方が無かった。






靴を履き直し、自転車にまたがって千夏は駅へと走り始めた。




夢の事なんて気にもとめないまま