岸辺に着いたら、未稀夜に抱きしめられて





「親父とっ、妹を失う辛さが分かるか?
あんな、欲にまみれた母親と笑って暮らせって言うのか?
だったら、後追いした方がましだ。

頼むからっ、妹まで取り上げるなっ。」





泣き声の未稀夜。





だけど、私に回す腕は力強くて





まるで、存在を確かめてるみたいで……。





「ごめっ…。ごめんねっ。」





ギュッと未稀夜を抱きしめた。