「チッ…」
「おいおい、そんな舌打ちすんなよ……」
後ろから聞こえる声にまたイライラする。
「あら、すみませんね。モッテモテの七瀬颯吾くーん。」
嫌みったらしく言いながら振り返ると、颯吾は満足そうな笑顔で私のところに近づいてきた。
「今日も俺の方が勝ったな」
「くっそ!マジ爆発しろっ!」
「まあまあ、落ち着きなよ」
イライラ度がMAXの私は麻紀ちゃんになだめられながら、颯吾を睨み付ける。
「お前なぁ……幼馴染みに対してそれは酷すぎんだろ」
そう、私と颯吾は幼馴染み。小さい頃からの付き合いで、いっつも私と勝負しては負けてたのに、いつの間に逆転してしまったんだろう……。
「今日は中間のテスト結果が貼り出されるから、それで勝ってやる……!」
今回はすんごい勉強したから、絶対コイツに勝ったはずだ……!
「いいや、俺のが勝ってるね」
またそんなことを言い合いながら、今日も朝練は続いていった。