「きゃぁぁぁぁ」

今日の朝練も、女子たちの黄色い声が飛び交うバスケ部専用の体育館。でも、他とは少し違って、女子の視線はその辺の男子を追っているわけではない。
私、神楽坂高校2年B組、藍川鈴音がみんなの視線を独り占めしちゃってるんだ。

「お疲れさまです先輩っ!このタオル使ってくださいっ!」
休憩に入った私のそばに、すかさずファンクラブだという子たちが差し入れを渡しに来る。
「ずるい!先輩にタオル使ってもらうのは私よ!」
「鈴音ちゃん、このスポーツドリンク、足しておこうか?」
あれよあれよというままに、女子に囲まれる私。
これじゃ休む暇もない……