恋音~コイオト~

逃げるだけ無駄だと今では思うくらいだ。



「さすが、寺野は優しいなぁ。それに違って天雪サンはー。」



っと、そこまでいってちらりと私の顔をうかがう公祐。




「なによー!優しくなくて悪かったわね!」



と、またもやこえをあげてしまった。




こんな餓鬼なんかに相手する暇なんてないわ。





「まぁ。落ち着いて食べよう。」




少し気を収めて、言うと



「なんだよ。俺が悪いみたいにしやがって」





「実際そうでしょ。」




も、塩をまぶした。




それでもなお反抗してくる公祐を無視して私たちは食べ始めた。






これじゃあ、のんびり恋ばなも出来やしないじゃんかよ!