拝啓
天国のお母さん、お父さん。
あなた方が亡くなって一日。
あなた方の娘は高1にして、人生で最大のピンチを迎えています。

ことの始まりは三時間前ーーーー

キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン♪

「あぁー!やっと終わった〜。
あれ?美星、もう帰るの?」

「あーうん。ちょっと用事があって。」

「え~話そうよ~。」

「ゴメン!また明日‼バイバイ、絵美‼」

ふー危ない危ない。

絵美と話してたら何時間かかることか。

いくら友達とはいえ、

ちょっとめんどくさい。

でも、用事があるのは嘘ではない。

昨日私の両親が他界した。

原因は交通事故。

赤信号を、、、

トラックが突っ込んできたらしい。

なんかイシャリョウ?

らしきものをもらった。

でも、こんなものいらない。

父と母を返して欲しい‼

ちなみに私の両親のことは

先生方しか知らない。

私がそうして欲しいと頼んだのだ。

「ふー着いた。」

私が今向かっていたのは「藤咲邸」。

藤咲さんという

和風の大豪邸を持つ方の家だ。

なぜ私がこんなところに来たのか。

それはー 「お見合い」

はい?と思う人もいるだろう。

「高1でお見合い?」と。

そうなのです。

実は昨日のお通夜で

藤咲さんの執事さんらしき人に

声をかけられたのです。

もちろん、藤咲さんが

うちの両親のお通夜を何で

知っていたのかは謎ですが、、、。

その執事さんは

「この手紙をお読みください。

そして明日、私共の家まで

おこしください。」

とか言って、すぐに帰ってしまった。

というわけなのです。