───バスケコートは体育館シューズの音とドリブルの音が響き合っていた。
「はぁ…はぁ…はぁー…朝からバスケは無茶だったかなぁ」
息をきらしながら恋は言う。
そんなことには目もくれず、釉稀は笑顔で恋の前に立っている。
「恋ー!ほら、次!早く早く!」
目の前の釉稀は疲れなど全く見せる様子が、無い。
「釉稀…。朝から元気過ぎるだろ…。」
恋の一言に釉稀はきょとんとしている。
そのきょとん顔に恋は小さく釉稀に聞こえないようにため息を着いた。
「釉稀の体力バカ。」
恋は釉稀にそう言うとコートに寝転がった。
「俺、バスケするの好きだし、恋と遊ぶのも好きだからな!」
キラキラのスポーツマンオーラを放つ釉稀。
あまりのキラキラに恋はまぶしそうな仕草をとった。
恋の隣に釉稀も寝転がる。
「はぁー、疲れた。」
恋からでた一言はなんとも弱々しいものだった。
───キーンコーンカーンコーン
朝礼の10分前に鳴る予鈴に恋と釉稀は急いで教室に帰った。