カウンターに着くと切れ切れな言葉を紡いだ。

「は、るが、ききょ、うさんの部屋」

最後は息を整えながら、

「春賀 葵杏さんの部屋ですね。右手へまっすぐ行ってエレベーターで4階へ行ってください。そして、右手へ曲がった先にありますよ。」

「ありがとうございます」

高鳴る胸をおちつかせているはずなのに、走った呼吸はさっき落ち着かせたのに、鼓動が早くなる。

道が永くて、永くて、また息ができないほど胸が締め付けられる。