「あ、ありがとう。わたし、ぶりっ子ってよく言われちゃって、仲がいい子あんまりいなくて…本当に嬉しいっ!…わたしのこと、香奈って呼んでくれると嬉しいな」

「香奈、ね。あたしのことは葵で」

「香奈さん、ですか?」

「柊さん、香奈でいいよ。それに、…敬語はいいから」

葵以外に言われたの初めてかも。
葵は肩をすくめて笑っていた。

「…じゃあ…。わたしのことは、奈実でいいで、じゃない、いいよ」

「ふふっ!…葵に奈実!よろしくね」

「「よろしく」」

神様なんて信じれなかったけど、初めているかもしれない、と思えた瞬間だった。