神様のいない街


「…よい…しょっ…」

思いっきり投げたボールは一直線に、性格悪そうな子めがけて飛んだ。

当たってくれてありがとう。

こちらのチームはまたまた歓声。
これまたわたし、嫌われちゃったなあ。

隣にあったボールは、さっき葵に当てた子にきっちりお返し。

「奈実〜ありがと〜♪」

大声で嬉しそうに手を振る葵。
これには本当に喜んでいるのだと思えた。