神様のいない街


「…はあ…」

そんなことを思い返していれば自然とため息が出てくる。

今日もまたわたしは学校で授業を受け、今は昼休み。
友だちとご飯を食べたり、遊んだり、勉強したりする時間だ。

「奈実がため息つくなんて珍しい〜」

そう言ったのは、かれこれ11年目に突入した友だち、野口葵〈のぐち あおい〉。
黒のショートボブの髪に、背が高くも低くもないちょうどいい身長。
葵には敬語禁止令というものが出されており、最初の方は難しかったけど、今はだいぶ慣れた。最初なんて毎回注意されてたほど。

そしてわたしの名前は、柊 奈実〈ひいらぎ なみ〉。
茶色がかったセミロングの髪に、低い身長。