「…昨日、古い方の音楽室でピアノを弾いていたの。それで、よくわかんないけど、帰りにさっき教室に来ていた人が話しかけてきて」 「逃げ帰ったってことか」 「ピンポン」 わたしは苦笑しながら言った。 葵も肩を竦めているし、これはもう呆れても仕方がないね。 なんかもう、学校に行きたくなくなっちゃう。