神様のいない街


その日は絶望の淵に立たされたままだった。
このまま時が止まってくれればいいのに、とさえ思った。

「…もう、疲れる人生だな…」

弱音を吐くのは自室のベッドの上、と決めていた。
だから今日もそうやって過ごす。

誰もいない空間は落ち着く。
誰もいない方が、ずっと楽だから。

「…あの人、誰なんだろう…わたし、何かしたのかな…」

次から次へと襲いかかる不安。
寝不足になる自信と、明日学校に遅刻する自信しかなかった。