神様のいない街


というよりも、話したことすら指折り数える程度で。

わたしの脳内はパニック状態。

どうしようとうしようどうしよう…!

こ、これは素直に「はい」って言ったらいいのかな。
でも言ったら追及されるかな。「なんでピアノ使ってるんだよ」とか言われたらどうしよう。

「…え、えと…あの、その…さ、さよならっ」

わたしは逃げる方を選択した。
だって、怒られたりするのは御免だもん。

走って帰る途中で、わたしはあることを思い出した。

さっきのは、不幸な出来事、だと。