「俺は本気で希依ちゃんのことが好きなんだよ。小さい頃からずっと……」
「理大……」
「なのに、どうして玲大ばっか見るの?」
「…………」
「……俺のこともちゃんと見てよ」
そう言った理大の声は少し震えていて、胸が痛くなる。
理大がずっと私のことを恋愛対象として見てたなんて……思ってもいなかった。
だって、ずっと理大と私は姉弟みたいな関係だって思ってたから。
ずっと私が玲大のこと好きだってことも気づいてて、それでも私をずっと想い続けてくれてたんだ。
「理大……ごめんね」
理大の気持ちはすごく嬉しい。
でも私はやっぱり……。
「私……玲大が好きなの」
玲大へのこの気持ちは止められないんだ。
相手が自分を見ていなくても、ずっと好きだなんてなんかヘンだよね。
でも、きっとそれが恋なんだ。
「知ってるよ、そんなこと。ずっと、小さい頃から希依ちゃんを見てきたんだから」
ゆっくり私を腕から解放すると、理大は儚げに笑った。



