―――そして昼休み。
「き・い・ちゃーんっ!!!」
「きゃっ!……もう、理大ってば急に飛びついてこないでよ……」
教科書を机の中に片付けていると、理大が後ろから思いっきり抱き付いてきた。
「えへへ、ごめんごめんっ。さ、お弁当食べよ」
「うんっ」
お弁当を持って教室を出ると、私と理大は屋上へと入った。
最近は少し寒くなってきたからか、屋上を利用する人はほとんどいない。
それでも私と理大は屋上で食べるのが好きなんだ。
「はぁ~~今日はすっげぇ寒みぃ~~」
理大が息を吐いて両手をこすった。
確かに今日はちょっと寒い。
もうそろそろマフラー必要かな。
明日から巻いてこよう。
「でも、屋上から見える景色が好きなんだよな~俺。どんなに寒くても1日1回は見たくなる」
「私も。屋上ってなんだか落ち着く」
大きく息を吸い込むと、体中が浄化されたみたいに気持ちがいい。



