「理大、ずーっとそうやって私にくっついて、彼女出来たときに私離れできてなかったら困るよ?」



「別にいいもーん。俺、希依ちゃんしか彼女にする気ないし」



まーたそうやって、私を困らせるようなこと言う。
理大が私のこと恋愛対象に見るワケがない。
私だって理大のことは可愛い弟だって思ってるし。



「全く、冗談もほどほどにしてよねっ」



「冗談じゃないって!俺は本気で……っ」



「希依、今日提出の数学のプリント見せて」



理大の言葉を遮って、玲大が私に言った。



「え!あぁ、うん!いいよ!」



クリアファイルから数学のプリントを取り出して、玲大に渡す。



やばい、玲大に頼られるなんてレアだ。
玲大はいつも完璧で私を頼ることなんて全然ないのに……!
あぁ、プリントちゃんと終わらせておいてよかった。



「それにしても、玲大が課題終わってないなんて珍しいね」



「あぁ……昨日はマジで眠くて、明日希依に見せてもらえばいっかって思って寝た」



な、なにそれ……っ!
最初から私に見せてもらうつもりだったの……?



玲大はズルい。
平然とした顔で私をドキドキさせちゃうんだもん。