「あ、理大くんおはよ!」
「おはよう理大くんっ」
「理大くんおはよー!」
教室に入るまでに、理大は一体何人の女子に挨拶されただろう。
理大は美形の容姿と明るくてフレンドリーな性格ですごくモテる。
一緒に歩いていると、たくさんの女の子が話しかけてくるんだ。
それとは反対に玲大はモテるっちゃモテるんだけど、近づきにくいオーラを放っているせいか、話しかけてくる女の子はほとんどいない。
私としては好都合なんだけどねっ!
私たち3人は同じクラスだ。
3人で同じ教室に入って席につくと、自分の席に荷物を置いてすぐに理大がやってきた。
「希依ちゃーんっ!」
「理大ってば、よく朝からそんな騒げるね」
私なんて眠くて眠くて……さっきからあくびが止まらないよ。
全く理大のテンションについていけないもん。
「だって、大好きな希依ちゃんが目の前にいるんだもん。テンション上がるに決まってるじゃん!」
「……へぇ」
「ちょ、俺は本気なんだからね!?そんな目で見ないでよ!」
理大は昔から甘えん坊で、ずーっと私にベッタリなんだ。
それにしても最近は理大が大声で『希依ちゃん大好き』とか言うせいで、付き合ってるってよくカン違いされる。
……まぁ、可愛い弟みたいな存在だし、憎めないんだけどね。