「……希依、どうかした?」
「へっ!?なっ、なんでもないよっ」
やばい、じっと見つめすぎた。
ヘンに思われた……よね?
慌てて目をそらすと、玲大が私の頬に手を当てて自分の方を向かせた。
「目、そらすなよ」
え、う、ウソ?
玲大の手が私の頬に触れて……っ。
私の全身はどんどん熱を帯びていく。
じっとまっすぐ私をとらえる玲大の瞳に、今にも吸い込まれそうだ。
玲大と見つめ合うなんてやっぱり恥ずかしくてすぐにそらしてしまう。
「なに、照れてんの?」
「だ、だって、恥ずかしいよ……っ」
恥ずかしさのあまり、私は両手で顔を覆う。
好きな人とそんな長く見つめ合うなんて、ムリに決まってる。
っていうか、玲大ってば急にどうしちゃったの?
どうしよう、胸がドキドキしすぎて、玲大に聞こえちゃいそうだ。
「顔隠すなって。お前の顔、ちゃんと見せろよ」
玲大に手をつかまれ、また玲大を目が合う。
私を見つめる玲大の目がとても綺麗で……。
そらせなくなってしまった。



