「希依ちゃんの気持ちわかってたのに……困らせるようなことして、ごめんね」
「ううん、すごく嬉しかった。ありがとう」
「これからも……仲のいい、幼なじみでいようね」
「うんっ」
玲大と理大はなにがあってもずっと幼なじみ。
私にとって大切な……幼なじみ。
幼なじみの関係は近くて遠い、なんて言うけど、あれって本当なのかもなぁ。
キーンコーン―――
予鈴が鳴って、私と理大は教室へと戻った。
席につくと、玲大が数学のプリントを持ってきた。
「これ、さんきゅ」
「うん!」
玲大の役に立てたと思うと、嬉しくて仕方ない。
「助かった。応用問題、間違えてるとこあったけどな」
「え!ウソ!?」
「問3のところ。解き方間違ってる」
「え、これってどうやって解くの?」
私、正直そこまで数学得意じゃないから、わかんない。
「じゃ、今日の放課後お前の家で教えてやる」
「……え!?」
れ、玲大が……私の家に……来る?
「じゃ、またあとでな」
どうしよう、部屋全然片付けてないよーっ!
急いで帰って片付けなきゃ。



