桜の降る日に



目が合ってお互いにそらすことができず
気まずかったらしく彼女は慎重に発した。

「…さ、桜綺麗ですよね」


でも、俺は


「…おう」


なんでこんな所に一人でいるのもわからないし
いくら美人でも他人で本性までわからない
だから、警戒心丸出しで素っ気なく返してしまった。


そんな俺に微笑んで彼女は裏庭から去っていった。


すっごい美人だけどあいつ誰だ?
あんなやついたっけ

思い出そうとしてみたがすぐにあることに気づいた。

学校のやつでまともに顔覚えてるやつほぼいないってことに。


そりゃあ、誰かわからねぇのも無理ないな。


自己解決して弁当を食べる。

旨いな。今日は上出来上出来。
桜を前にしてお花見気分で少し贅沢に感じた。


そんな春の出来事。
いつもとは少し違った1日だった。