「出掛けるってどこによ~…」
メガネをかけて視界をよくすると
妹が何やら可愛らしい洋服を着て
頬を膨らませていた。
「どこって、カフェだけど?」
…………!?
カフェってあの静かな!?
オタクとか来んなよオーラがすごいするとこ!?
我が妹はいつもそんなところに…
「…大丈夫よ。和希が行っても誰も見ないし。」
何かを察した美亜が気をきかしてか
私が一番聞きたかったことを言った。
「うん。それなら行ってみるよ…」
震える声を隠すように目を細める。
私は典型的なニートだから。腐女子だから。
と自分に言い聞かせて人との接触を
最小限にしている私に気を使って
妹はぶっきらぼうに色々な場所に誘ってくれる
それは本当にありがたいことである。
ただ、いかんせん私は外に出る気はないのだ。
そのため誘いをずっと断ってきた。
だけど最近クラスメイトの男子に
話しかけてもらえたのだ。
それもあって今回のカフェへの誘いを
受けたのだ。
さて、服はどうしたものか。
適当にパーカーとジーンズでいいか。
などと考えていると、妹が服を取ろうとする
私の前に手を左右に大きく開きタンスの前を
ふさいだ。