サラサラと風になびく髪の毛。
ピヨピヨと愛らしい小鳥の声。
ふんわりとただよう紅茶の香り。
これこそ青春。
ということは妄想で、実際は…
バサバサからまる髪の毛。
カァーカァーと叫び鳴くカラス。
鼻をつんざく汗の臭いが染み付いた部屋。
青春とはほど遠いものです。

私。浜津 和希(ハマツ カズキ)はどうしてこんなに
青春とはかけはなれているのでしょう?

正解は…腐女子だから

画面の前のあなた方の中にも腐女子は
いることでしょうが。
こんなに酷くはないんじゃないかと思います。
部屋に散乱している同人誌や洋服。
本棚に立てていない教科書たち。
もう冬だというのになぜかある扇風機。
極めつけは物の中に埋まっているパソコン。
おわかりだろうか。
ただの腐女子というわけではなくて
片付けがにが、
「和希!!出掛ける準備し…布団から出ろ!」
ノックもせずに私の妄想を邪魔するこいつは
私の妹、美亜(ミア)。
ギャルだ。
まったく、私は布団にくるまって妄想している
だけだというのに、なぜこんなにも
怒られなければならないのだ。
そしてなぜ母ではなくて妹なのだ。
という疑問を抱きながらもぞもぞと
布団からだらしなく出ていく。