キミへ

「そろそろ行かなきゃ。
話できて嬉しかった。またね、ハルト」



バイバイと手を振りながら瞬く間に
彼女は図書室から出て行った。



まるで、空に吸い込まれていったように。



俺はまたあの子に会えるのだろうか。



”ナツキ”そう言う彼女の声が
頭から離れなかった。



なんだろう、この感じ。



”また会いたい”



自分からそう思ったのは初めてだった。