「冬兎っ♪」 あたしはコロッと態度を変えて冬兎に抱き着く。 「心配してたんだよ。大丈夫だったの?」 可愛い瞳をして聞いてくる。 「大丈ー夫♪」 ものすごーく不本意だけど、凌兄が助けてくれたし! でも……あの時の凌兄は、ちょっとかっこよかった……。 『栞!!』 声のする方を向くと、暑苦しい奴が立っていた。 『お父さんも心配してたんだぞぉぉお!』 スカッ 「雛〜!あたしもお腹空いた〜!なんかちょーだーい♪」 あたしは上手い具合にお父さんを避けて、リビングに入った。