あッ。あたしはあることに気付いた。
「てかなんで凌兄、あたしのファーストキスなんか知ってるの?」
そうだよねえ。
見てるわけないし…だってその時凌兄はもう小学生だし。
なんで知ってるんだろう…?
「ああ。それ、俺だから」
凌兄はあっさり言うもんだから、一瞬何を言われたかわからなかった。
はい?
はい…
凌兄……
はぁぁぁあーーっ!?
「嘘っっ!!」
「ホント♪」
凌兄の顔を見ると、意地悪そうに微笑んでいる。
まさに大魔王…いや大魔神の微笑みだ。
嘘…嘘でしょ…?
じゃああたしは、ファーストキスも…その次も……
凌兄に奪われたってことぉぉおーーーーーーーーーーーっ!?
嫌だ!嫌だ!!絶対嫌だぁぁあ!!

