それにしても…凌兄と勇紀の兄弟喧嘩(?)なんて初めてみたなぁ〜…。
そんなことを考えていたら、クイッと誰かに腕を掴まれた。
「冬兎!」
「こっち来て」
…って、可愛い笑顔に誘われて、あたしはふらふらと付いていき、勇紀と冬兎の部屋にやってきた。
「雛♪」
中に入ると、雛もいた。
とりあえず座って、「どうしたの〜っ?」って聞いてみた。
「婚約おめでとう」
冬兎に突然言われて、少しびっくりした。
「あう、うんっ!…ありがとう♪」
「しおちゃんよかったね!」
うん、よかった。
でも。
ありがとうって言ったけど…なんだか、まだ実感がない。
あたし…ほんとに……凌兄と婚約したんだ……。

