びっくりする。
なんか凌兄が…甘い?
っていうのかな……。
ドキドキされっぱなしでしょうがない。
ちょっと弱気で、甘えてくる凌兄が可愛かった。
可笑しい。凌兄は絶対“可愛い”部類には入らないはずなのに。
「…うん」
あたしは小さく頷く。
そしたらあたしの頭を優しく撫でた。
愛おしそうに見てくる顔は、女の子なら誰でも惚れちゃいそう。
「浮気すんなよ?」
「あたしは凌兄と違ってモテないもんっ」
そう言ったら、呆れた顔をされた。
「いんだろうが、近くに…」
凌兄に小突かれる。
勇紀のこと、かな…?
なんだかすごく気にしてるし。
前に抱きしめられてるとこ、見られてるからかな?
あれは勘違いなのに…。
凌兄のせいで泣いてたんだから。