妻って…言葉にちょっと抵抗感がある。
ていうより、恥ずかしい。
「うん、まぁ…ね!」
まだ、あたしが高校卒業してからだけど。
ちょっと小馬鹿にしたような勇紀の笑い。
「バーカ」
いつものように嫌味なんだけど…なんだか笑顔が優しかった。
勇紀がとても眩しく見えて、
だからちょっぴり、ドキッとした。
瞬間、凌兄があたしを引き寄せる。
「…わかってんなら、人の女に手ぇ出すなよ?」
いつもより少しだけ低い声。
なんだかそんなことを言う凌兄に、びっくりした。
「お前は2つ前例あるしな?」
明らか喧嘩売ってるでしょう。
な凌兄に、ハラハラするあたし。
引き寄せられてたのが、今度は後ろから抱きしめられた。
「わっ!」
「こいつはぜってぇやんねぇから」
そういわれて、みんなの前で頬にキスをされ、顔が真っ赤になりいたたまれなくなって…とりあえず凌兄を睨んどいた。
凌兄の馬鹿っ!
心臓が大変なことになってるし…。
それでも、嬉しいと思うあたしは……可笑しいのかもしれない。

