『分かってるわよ。まったく…そんなに苛立たなくても栞が高校卒業したら、凌に全部あげるから安心しなさいよ』
あたしは物かっ!!
なんだ全部あげるって!!
あたしはあたしのものですー!!
『それまでは婚約ってことで、我慢しなさい』
チッと凌兄の舌打ちが聞こえたかと思うと、
「…分かった。結婚は我慢する」
なんだ!その結婚はって!!
なんとなく複雑だよ…。
てかあたしを無視して話がパッパと進んでいった気がする。
なんか思いきり疲れた……。
『しおちゃんおめでとう♪』
途端、雛の声がした。
後ろを振り返ると、笑顔の雛と…優しく微笑む2人の姿。
「……ありがと」
「お前、これで人妻かよ?笑」
可笑しそうに笑いながら、聞いてくる勇紀。

